仙台青葉クリニック

9:30-13:00,14:30-18:30
歯科022-223-8871

矯正歯科

顎変形症の矯正治療

従来法(保険診療)

国内外で広く行われている顎変形症に対する治療方法です。治療は以下のようなステップにしたがって進めていきます。

術前矯正(1〜2年)

顎矯正手術を行った直後に、しっかりとした噛み合わせになるように、マルチブラケット装置を用いて歯並びを整えるための術前矯正を行います。一般的にその治療期間は1〜2年になります。

入院・手術(約2週間)

術前矯正治療の目処が立ってきた段階で、手術を依頼する連携病院の口腔外科を受診していただき手術日等を相談していただきます。(連携病院受診の際には、当医院から紹介状をお出しすると共に受診日予約のサポートもいたします。)
通常、手術後の入院期間は2週間程度となります。(術式や患者様個人の回復状態により異なります。また、施設によっても異なります。)

当院では、以下の病院が手術を依頼する連携医療機関です。(2023年現在)
・東北大学病院 歯科顎口腔外科
・仙台医療センター 歯科口腔外科
・仙台赤十字病院 歯科口腔外科

術後矯正(6ヵ月〜1年)

手術後3〜4週間はお口が開けられず、十分には噛めない状態が続きますので、顎の関節や筋肉が弱まります。そのため、開口訓練などのトレーニングが必要になります。術後は、そのようなリハビリテーションと噛み合わせの細かな調整を図るための術後矯正に6ヵ月から1年を要します。

保定・メインテナンス(5年)

まず保定に入ったところで、手術時に切離した顎骨を固定するために用いた金属製の骨固定プレートを除去します。そのためには、3~5泊ほど連携病院に入院して撤去手術が必要になります。 顎矯正手術後の顎骨の後戻りはほとんどありませんが、矯正治療で動かした歯は元の位置に戻ろうとする傾向があります。そこで、後戻りを防ぐための保定装置が必要になります。そして、当院では術後5年間の保定とアフターケアを行い、安定性に問題がないことをお互いに確認した後に通院終了とさせていただいております。

外科的矯正(従来法)

図 従来法の治療ステップ

従来法の利点
  1. 手術直後の咬合が比較的安定。
  2. 手術後早期に咀嚼機能が向上。
  3. 術後に顎の位置を安定させるためのスプリントが不要。
従来法の欠点
  1. 術前矯正中に上顎切歯を唇側に下顎切歯を舌側に傾斜させることが多いため、一時的に容貌と咬合が悪化する。
  2. 術前矯正が終了するまで手術時期が決められない。
  3. 治療期間が長い(2.5〜3年)。
  4. 小臼歯抜歯(とくに上顎)の可能性が高い。
  5. QOL(生活の質)が低い期間が長い。
従来法の治療費

当院は、指定自立支援医療機関であることから、従来法への健康保険の適用が認められています。外科矯正治療費、術前・術後の矯正治療費、入院費等を全て含んだ治療費の目安は約50〜60万円です。しかし高額療養費制度を利用すれば、80,100円を超える治療費が返還されます。この制度を利用するためには、以下のような条件を満たす必要があります。

  1. 同一病院で支払った1ヶ月の医療費が80,100円を超えること。
  2. 国民健康保険または社会保険に加入していること。
  3. 本人が申請を行うこと。
◎従来法の参考資料

菅原準二、川村仁:現代外科的矯正治療の理論と実際、東京臨床出版、大阪、2000年

UP